なんで、片栗粉じゃなくてこの粉をつかうの?
ちゃんと違いを知っておいた方が良いよ。
こんにちは。フードケアの高橋です。
つい先日、祖父母がそれぞれ癌と嚥下障害によって搬送された影響で、母親とこんな話をすることになりました。
とろみ調整食品は、片栗粉と違うけれど似ている働きがあります。
どうしても混在しやすいですが、
一番違う点をはっきりと覚えておいた方が良いものです。
※このブログの「とろみ調整食品」は、キサンタンガム系・グアーガム系のとろみ調整食品を指しています。
片栗粉との違いは、「唾液」で溶けるか溶けないかです
母と同じように思った人は多いと思います。
では、このような経験はありませんか?
中華のあんかけごはんや八宝菜などを食べているとき、最初の方はとろりとしていたのに、最後の方で水っぽくなっているということ。
野菜の水が出てきたからということも、もちろんあるとは思いますが、だんだんと
片栗粉がお箸やスプーンに付いた「唾液」と交わって、溶けてしまっていることが大きな原因と言われます。
ごはんを噛んでいくとモチモチしていたものが、口の中でだんだん「サラサラ」してきます
よね?
でんぷん食材というのは、唾液に含まれている酵素(アミラーゼ)の力で分解されて、「サラサラ」になるのです。
これは、でんぷん食材であれば何でもそうで、米だけでなく、パン、麺、片栗粉もそうです。
嚥下が悪くなってきたからと、「片栗粉」でとろみをつけていると、最初は良くても、徐々に徐々に「とろみ」がゆるくなっていって、最後の方では「サラサラ」の液体を飲んでもらうしかなくなります。
「片栗粉」では、せっかくつけた「とろみ」が徐々になくなってしまい、危険な飲み物に戻ってしまいます。
「とろみ調整食品」は、唾液の影響で「サラサラ」になることはありません!
・とろみ調整食品は、唾液で「サラサラ」になることはありません。
と覚えておいてください。簡単にとろみ調整食品のメリットをご紹介すると、
・入れたら加熱をしなくても「とろみ」がつきます。
・入れた分だけ「とろみ」がつくので、調整も簡単。
となります。
食事中の誤嚥を防ぐためには食事内容がとても大切です。しっかりと混ぜて、とろみがつきにくいものは少し時間を置いてさえ使えば、
とろみ調整食品は非常に使い勝手が抜群です。
ただ、何にでもそうなのですが、危険もあるので、注意して使わなければなりません。
使い方をしっかりと守って、とろみ調整食品をうまく活用して、誤嚥を防いでいきましょう!
まとめ
今回は、「とろみ調整食品」と「片栗粉」の違いと、とろみ調整食品のメリットを簡単にご紹介しました。
- 「とろみ調整食品」と「片栗粉」の違いは、唾液にとけるかとけないかです。
- 「とろみ調整食品」は唾液で「サラサラ」にはならない。
と覚えておいてください。
食事中の誤嚥を防ぐために、とろみ調整食品をうまく活用しましょう!
(イラスト 久保埜)